相続財産は、現金や不動産のようなプラスの財産と借金や住宅ローンといったマイナスの財産に区分されます。
相続財産の受け取り方としては、プラスの財産もマイナスの財産もすべて受け取るという「単純承認」が一般的です。しかし、相続の場面によっては、「借金は相続したくないが、住んでいる家屋や故人の事業は受け継ぎたい」「今のところ借金はないようだが、相続後に多額の借金が見つかってしまわないか不安」といったニーズが存在します。こちらでは、そうしたニーズにこたえる受け取り方として、「限定承認」をご説明します。
限定承認の申述手続き
限定承認を行うためには、相続の発生を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に限定承認の申述を行う必要があります。ただし、限定承認を行うためには、相続人全員の同意が必要です。相続人間の関係が良好ではなく、相続人の中にひとりでも反対する人がいると、限定承認はできません。
プラスの財産の額を限度として、マイナスの財産を相続する限定承認という方法は一見するとお得な受け取り方のようにも思えます。しかし、静岡県内で亡くなった方の相続に関する手続きを管轄する静岡家庭裁判所(静岡県葵区)では、年間14件程度しか限定承認の申述が受理されていません(令和3年度)。
その理由として、不動産や株式といった購入時の相続開始時の価格が変動するものについては、譲渡所得税が発生する場合があり、税理士と連携をして限定承認のお手続きを進めていく必要があるため、単純承認する場合よりも費用や時間がかかってしまうことが挙げられます。
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