遺言書とは、自分の財産の分け方に関する意思を示す書面です。ですので、遺言書作成のためには、ご自身の財産を明らかにしなければなりません。
ご自身の記憶頼りに遺言書を作成してしまったために、死後、遺言書に記載のない財産が見つかり、遺産分割協議を行わなければならなくなってしまったということも少なくありません。
せっかく遺言書を作成したのに、相続人全員で遺産分割協議を行う手間がかかってしまっては、遺言書を有効活用できたとは言えないでしょう。
さらには、遺産分割協議を行ったために、相続人同士の関係が悪化してしまったなんてことになってしまっては、遺言書を無駄にしてしまうことにもなりかねません。
このような事態を避けるためにも、遺言書を作成する際には、財産調査をしっかりと行い、遺言書に明確に記載しておくようにしましょう。
遺言書作成のための財産調査のポイント
遺言書を作成するうえで、押さえておくべきポイントを確認しておきましょう。
金融資産の種類および総額
各金融機関にお持ちの口座の種類・口座番号・残高、株式等有価証券の評価を明らかにしておきましょう。「誰が見ても特定できる書き方」が遺言書の必須要件です。
不動産の登記内容および評価
ご自身が所有する不動産の内容のほか、どのような権利が設定されているのか、売却する場合に障害となりえるものが何かを確認しておきましょう。2024年4月には、不動産に関する相続登記が義務化されます。
相続税納付資金の確保
相続発生時に残存する財産の総額が、相続税法が定める基礎控除額を上回る場合、相続税申告が必要です。
相続税申告が必要か、必要な場合にどのように納税資金を捻出するのかを確認しておきましょう。
不動産や有価証券等を含めた財産総額が基礎控除を上回っていても、納税できるだけの現金が残っているとは限りません。
生命保険の契約内容
生命保険は基本的に受取人が指定されていますので、相続財産ではありませんが、相続税を始めとした各種税金の課税対象です。
保険料の負担者と保険金の受取人の関係によって、相続税・贈与税・所得税と、課せられる税金が異なりますので、契約内容を確認しておきましょう。
以上のポイントを踏まえて財産調査を行なったら、その内容を「財産目録」としてまとめておきましょう。財産目録としてまとめておくことで、相続発生時に改めて財産調査を行う手間を省くことができます。
上述のように、遺言書作成の際に、ご自身の記憶頼りに財産を記載するのは得策ではありません。一方で、財産調査を行うにも、各金融機関の調査や、登記情報の取得など、多くの時間と労力を要することもまた事実です。
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