相続が発生したら、相続人調査と同時に、相続財産の調査も進めることが必要です。
この財産調査で明らかにすべき財産は、預貯金や不動産のような「プラスの財産」だけではなく、負債のような「マイナスの財産」も含む、被相続人が所有していた全ての財産です。
相続人が明らかになり、財産調査が終わると、各相続人は財産の受け取り方として、「単純承認」、「相続放棄」、「限定承認」から一つを選択します。単純承認は、被相続人の財産の全てを相続する受け取り方ですので、プラスの財産しか把握せずに単純承認をしてしまうと、把握していなかった負債までを相続することになってしまいます。
したがって、財産調査の際には、プラスの財産に加え、マイナスの財産についても確実に調査し、抜け漏れのないように把握することが大切です。
遺言書にない財産の調査
遺言書が残されている場合、遺言書には財産目録が添付されていることが通常です。しかし、財産調査の結果、遺言者が把握できておらず、遺言書に記載されていない財産が見つかる場合もあります。
このとき、遺言書に、記載された財産以外の財産の相続について定める文言がある場合には、その定めにしたがって、財産を分割することになります。記載がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺言書に記載されていない財産の分け方について決める必要があります。
このほか、相続人のひとりが財産を隠しこんでいるために、相続財産調査ができないという場合もあります。この場合でも、法定相続人であれば、その立場に基づいて財産調査を行うことが可能ですので、ぜひ専門家にご相談ください。
相続財産の内容が明らかになったら、財産目録を作成しましょう。