納税すべき相続税額を確定させる前段階として、相続財産の評価を行う必要があります。財産評価を誤って算出してしまうと、納税額に齟齬が生まれてしまうリスクがあります。
さらには、本来納税すべき相続税額よりも少ない額で評価額を算出し、その評価に基づいて納税してしまうと、過少申告へのペナルティとして納税額が加算されてしまうおそれがあります。
こちらでは、相続財産のうち、【雑種地】の評価についてご説明いたします。
雑種地の評価
日本国内の全ての土地は、不動産登記法に基づく不動産登記規則及び不動産登記事務取扱手続準則に則って、土地の用途(地目)が定められています。
不動産登記法上の地目は、宅地・田・畑・山林など、全部で23区分が定められており、その一つである「雑種地」は、その他22区分の地目のどれにも当てはまらない土地全てを表す地目です。
駐車場や空き地、飛行場などが主に雑種地にあたりますが、建物の敷地に付随している駐車場などは宅地として扱われます。
自用に供する雑種地の評価
財産評価基本通達により、雑種地の評価は、原則として利用単位となっている一団の土地ごとに行います。
評価方法には、主に評価する雑種地と状況が近しい土地の1㎡あたりの価額を基準にして評価額を算出する「近傍地比準価額方式」が用いられます。近傍地比準価額方式では、対象の雑種地とその付近の土地との位置関係や形状等の条件から、評価を決定し、その価額に当該土地の地積を乗じた数値を評価額とします。
地域によっては、近傍地比準価額方式ではなく、あらかじめ倍率が規定された「倍率方式」を用いているところもあります。倍率方式を用いる場合には、固定資産税評価額に当該土地の倍率を乗じて評価額を算出します。
貸付けられている雑種地の評価
貸し付けられている雑種地は、所有者の方の利用が制限されているため、評価額が低く算出されます。評価式は以下の通りです。
ゴルフ場の用に供されている雑種地の評価
市街化区域及びそれに近隣する地域に属する雑種地
市街化区域に属する雑種地については、「宅地比準方式」が用いられます。
宅地比準方式とは、宅地として利用されるのであれば効用が最大に発揮される雑種地について、周辺の宅地と比較して評価する方法を言います。具体的には、当該雑種地が宅地であるとした場合の価額から「宅地造成費」を控除した価額が評価額として用いられます。
ゴルフ場の用に供されている雑種地の評価に係る宅地造成費には、財産評価基本通達により、農地の評価に係る宅地造成費が用いられるものとされています。
宅地造成費は、土地の区分によるほか、都道府県によっても異なります。参考までに、静岡市 葵区、清水区、藤枝市、焼津市県での令和4年分の宅地造成費は、平坦地については700円~74,400円/㎡、傾斜地については、18,700円~57,700円/㎡で設定されています。
市街化区域及びそれに近隣する地域外の雑種地
雑種地の評価と一言でいっても、地域や周辺環境によっても評価は大きく変わります。こちらで紹介した雑種地以外にも、どのような用に供されているのかによって必要な知識も異なります。静岡市 葵区、清水区、藤枝市、焼津市県内で雑種地を所有されている方の相続でお困りの方はぜひご相談ください。
静岡あおい相続遺言相談室では税理士の独占業務は、パートナーの税理士が担当しております。当センターでは専門家と連携をしてワンストップでお客様のお手伝いをさせていただいております。